現政権の目玉政策 新「賃上げ税制」で税金を安くしよう!【人材補強・人件費アップを考えている経営者の方必見!】

「賃上げ税制」は、元々アベノミクスの成長戦略の一環として従業員の所得を増やすための政策としてはじまり、この 9 年間で繰り返し改正されてきました。
現政権においても目玉政策とされる「賃上げ税制」ですが、適用を受けるためにどのようにすればいいか。必要な要件や中小企業にとって有利な点を、以下にまとめてみました。
従業員の賃上げ、新規の雇用をお考えの方は、是非、ご覧いただければと思います。

【1】このブログを読んでいただきたい方

  1. 利益が予想される方(法人、個人事業主両方 OK です!)
  2. 従業員の雇用をお考えの方
  3. 今いる従業員のお給料アップ・賞与支給をお考えの方
  4. 新事業をお考えの方
  5. コロナの影響で事業規模を縮小していた方

【2】賃上げ促進税制の制度内容

(法人:令和 4 年 4 月 1 日以降開始事業年度~/個人:令和 4 年度~)

(1)どんな特典がある制度か

一定の条件を満たすことにより、税金(法人は法人税/個人事業主は所得税)の控除率が最大 40%になります。
例えば、100 万円の税金を払う経営者の方は、この制度を適用することにより、40 万円控除され税金が 100 万⇒60 万円に減額になります!

上記の例の通り、この制度は、人件費を増やした会社に対するごほうびとなる制度なのです。
コロナも落ち着き、積極的な人材補強、優秀な人材の獲得などをご検討されている方には、是非、ご活用いただきたい制度になっています。

(2)制度適用パターンを確認

こちらの制度は、社員のお給料アップ、社員の教育訓練費のアップにより、15%~40%の税額控除を受けることが出来ます。
つまり、税金が安くなるのです。

この制度は、どのような取組を行うかにより、税額控除を受けることが出来るパーセンテージが変わってきます。
その点について、具体例を基に、パターン別にご紹介していきたいと思います。

パターン① 社員の給料を少しアップすることにより、税金が少し安くする!(税額控除率:15%)

■税金を安くする条件は…

「給与総額が前年比 1,5%増」の条件をクリアすることにより、15%の税額控除を受けることが出来ます。

上記の例でみてみますと、60 万円(給料総額 4,000 万円×1.5%)給与を増加することにより、この適用を受けることができます。

■どのくらい税金が安くなるのか

上記の適用要件を満たすことにより、9 万円(給与増加額(60 万円)×15%)の税額控除を受けることができます。つまり、税金が 9 万円安くなります。
※税額控除は、法人税額(所得税額)の 20%が限度となります。
今回のケースでは、50 万円(法人税額(所得税額)250 万円×20%)が限度額になりますので、9 万円すべて控除することが出来ます。

■まとめ

上記の例では、給与総額 60 万円増加により、税金が 9 万円安くなります。

パターン② 社員の給料アップ 1.5%増加に加え、教育訓練費をアップすることにより、税金をさらに安くする!(税額控除率:15%⇒25%に!)

■税金を安くする条件は…

「給与総額が前年比 1,5%増」の条件をクリアする。(パターン①と同じ。)
「教育訓練費が前年比 10%増」の条件をクリアする。

この2つの条件を満たすことにより、25%の税額控除を受けることが出来ます。
上記の例でみてみますと、60 万円(前期給料総額 4,000 万円×1.5%)給与を増加し、(ここまではパターン①と同じ)社員に対しての研修参加費補助の負担を、50 万円(前期教育訓練費500 万円×10%)増加させることにより、この適用を受けることができます。

■どのくらい税金が安くなるのか

上記の適用要件を満たすことにより、15 万円(給与増加額(60 万円)×25%)の税額控除を受けることができます。
つまり、税金が 15 万円安くなります。
※税額控除は、法人税額(所得税額)の 20%が限度となります。
今回のケースでは、50 万円(法人税額(所得税額)250 万円×20%)が限度額になりますので、15 万円すべて控除することが出来ます。

■まとめ

上記の例では、給与総額 60 万円増加、教育訓練費 50 万円増加により、税金が 15 万円安くなります。

パターン③ 社員の給料をパターン1より、もう少しアップすることにより、税金をさらにさらに安くする!(税額控除率:15%⇒30%に!)

■税金を安くする条件は…

「給与総額が前年比 2,5%増(パターン1では、1.5%増)」の条件をクリアすることにより、30%の税額控除を受けることが出来ます。

上記の例でみてみますと、100 万円(給料総額 4,000 万円×2.5%)給与を増加することにより、この適用を受けることができます。

■どのくらい税金が安くなるのか

上記の適用要件を満たすことにより、30 万円(給与増加額(100万円)×30%)の税額控除を受けることができます。
つまり、税金が30 万円安くなります。
※税額控除は、法人税額(所得税額)の 20%が限度となります。
今回のケースでは、50 万円(法人税額(所得税額)250 万円×20%)が限度額になりますので、30 万円すべて控除することが出来ます。

■まとめ

上記の例では、給与総額 100 万円増加により、税金が 30 万円安くなります。

パターン④ (控除額が最大になるパターンです!)
社員の給料アップ 2.5%増加に加え、教育訓練費をアップすることにより、税金がさらに安くなります!(税額控除率:15%⇒40%に!)

■税金を安くする条件は…

「給与総額が前年比 2,5%増」の条件をクリアする。(パターン3と同じ。)
「教育訓練費が前年比 10%増」の条件をクリアする。

この2つの条件を満たすことにより、40%の税額控除を受けることが出来ます。
上記の例でみてみますと、100 万円(前期給料総額 4,000 万円×2.5%)給与を増加し、(ここまではパターン3と同じ)社員に対しての研修参加費補助の負担を、50 万円(前期教育訓練費 500 万円×10%)教育訓練費を増加させることにより、この適用を受けることができます。

■どのくらい税金が安くなるのか

上記の適用要件を満たすことにより、40 万円(給与増加額(100 万円)×40%)の税額控除を受けることができます。
つまり、税金が 40 万円安くなります。
※税額控除は、法人税額(所得税額)の 20%が限度となります。
今回のケースでは、50 万円(法人税額(所得税額)250 万円×20%)が限度額になりますので、40 万円すべて控除することが出来ます。

■まとめ

上記の例では、給与総額 100 万円増加、教育訓練費 50 万円増加により、税金が 40 万円安くなります。

この制度を適用するための要件、どのくらい税金が安くなるのかをパターン別にまとめてみましたが、皆様が適用できそうなパターンは、ございましたでしょうか。

【3】この制度が適用できそうかどうかをチェックしてみましょう!

以下の要件をすべて満たせば、制度が適用できると考えられます。(注)

  1. 今回の会社/個人事業の決算は、利益が出そうである。
  2. 繰越欠損金(※)が無い。あるいは、1で予想される利益以下の繰越欠損金である。
  3. 当期(今年)は、前期(去年)に比べて、人件費を増加した。あるいは、去年支給しなかった賞与を支給した(支給する予定だ)。
  4. 当期(今年)は、前期(去年)に比べて、教育訓練費を増加した。(4は、この制度の適用を受ける必須要件ではございません。4の要件をみたすことにより、税額控除の金額を増やすことが可能となるものです。)

(※)繰越欠損金とは、おおまかに言うと、「繰り越された過去の赤字」とイメージして頂ければと思います。一定期間内であれば、「繰り越された過去の赤字」は、当期(今年)発生した利益と相殺することができ、納税額を抑えられる、場合によっては0円になります。
(注)あくまで、適用できると考えられる目安を示しているものであり、適用を確約するものではございません。詳細は、経済産業省のこの制度の HP をご確認ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai/chinnagesokushin04gudebook.pdf

最後に

従業員のお給料を増やすことにより、税金が安くなる制度について、まとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
従業員のお給料アップは、経営者としては可能ならばしてあげたいことだと思います。
それによって、税金が安くなるというのは、とても素晴らしい制度といえます。
事業の発展に、人件費のアップ・新たな人材投与をお考えの皆様は、是非、こちらの税金が安くなる制度をご活用いただきたいと思っています。

もちろん、人件費は、やみくもに増やすものではないものです。
人件費を増加することにより、会社が負担する社会保険料も増加します。
また、従業員が増えることによって、交通費、消耗品費、地代家賃や水道光熱費も増加が想定されます。
そういったいろいろな経費の増加に、売上の増加が追い付かないと、会社の資金繰りは、とても厳しくなることが想定されます。

この制度の適用をお考えの経営者の方は、人件費がアップすることによっての売上の想定増加額、費用の想定増加額をお考えいただきたいと思います。
それを踏まえて、人件費のアップが問題ないようでしたら、人件費のアップを実現し、この制度を適用して頂ければと思います。

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