「確定申告」と聞いても、「まだ先の話」と思っている方が多いのではないでしょうか。
確定申告の提出期限は、来年の3月15日。まだ4か月あります。(令和3年11月現在)
「2月から始めても、まだ間に合う」と思ってしまいますね。
確かに2月から始めても、期限までに確定申告を済ませることできるでしょう。
しかし、あえてフリーランス・個人事業主の方に、次の提案をしたいと思います。
「確定申告は年内に半分処理することで税金を安くしよう!」
2月から作業を始める問題点

「なぜ年明け2月から始めても間に合うのに、年内にスタートするの?」
と、疑問に思いますよね。
年内にスタートする理由をお伝えする前に、2月から作業を始める申告(以下、「ギリギリ申告」とします。)について、考えられる問題点を確認します。
ギリギリ申告の問題点
- 締め切りに追われてミスが多くなる
- 税務署が混雑する
- アドバイスが雑になりがち
- 思わぬ税金の多さに呆然
確定申告を経験された方は、「そういえば、そうだな~」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
問題点で挙げた①~③も問題なのですが、今回、皆さんに特にお伝えしたいのが、④の「思わぬ税金の多さに呆然」です。
「今年、税金そんなに高いの…」
このセリフを言わないようにするためにも、確定申告は、年内に処理を進める方が良いのです。
しかも年内に処理を進めることは、それ以外にも複数のメリットがありますので、次に紹介したいと思います。
年内に半分処理することで税金が安くなる?!

早めに確定申告の準備をするメリット
私が提案する確定申告を年内に始める申告(以下、「早め申告準備」とします。)のメリットをお伝えします。
- 余裕を持って処理をしているので、ミスが少なくなる
- 税務署、税理士に依頼している方は、税理士に丁寧なアドバイスを受けることが出来る
- どれだけ儲かりそうかを把握することにより、税金を安くすることができる!
ギリギリ申告の問題点が、解消されているのが分かります。
スムーズに確定申告の作業ができるだけではなく、「税金を安くすることが可能になる!」のです。
だから、「早め申告準備」を皆様に提案をしたいのです!
早めの申告準備で、税金を安くしよう!
(経費計上篇)

利益の把握
もちろん、確定申告を早く行っただけで税金が安くなることはありません。
まず、半年分の処理を行い、だいたいどれだけ儲かりそうかを把握しましょう。
ポイントは、「たいたい」でOKということです。
(ここで、完璧を求めてしまうと挫折をしてしまいますので。)
この利益の把握については、今年は、特に気を付けなければならない方がいます。
それは、国あるいは都道府県からの支援金・給付金を受けている方です。
その支援金・給付金は、通常の売上と同じ収入に計上されるのです。
(支援金・給付金について、税金がかからないものがございますので、ご確認お願いいたします。)
したがって、本来の売上が落ち込んでいても、支援金・給付金により大きな利益が計上され、多くの税金を払わなければならないこともあり得るのです。
コロナ関連の支援金・給付金が多かった令和3年の確定申告において、利益の把握は例年以上に重要です。
そこで「大きな利益」になりそうなことが判明をした場合、次の作業に取り掛かります。
駆け込み計上できる経費を考える
経費を追加で計上すれば、利益を少なくすることができ、税金を安くすることが出来ます。
もちろん経費を計上するということは、お金を使うことになります。
税金を安くするために、浪費をしてお金を減らしてしまったら意味がありません。
浪費ではない支出で税金を安くしなければなりません。
そこで、当事務所から税金を安くするための3つの提案です。
- いつか買おうと思っていたものの中から、前倒しで購入できるものはありませんか?
- 自分の仕事に関する研究、もしくは研修を受けてみましょう
- 経費にできるものを忘れていないか確認してみましょう
①いつか買おうと思っていたものを、年内に前倒しで購入

これについては、代表的なものでいうと、パソコンです。
パソコンの動きが悪くて、いつか買い替えたいと思っている方は、前倒しで年内にご購入されるのはいかがでしょうか。
本来パソコンは減価償却という方法により、数年に分割して経費にしなければならないのですが、10万円未満のものに関しては、減価償却することなく、全額をその年の経費にすることが出来るのです。
また、青色申告の方は、30万円未満の固定資産について、一度にその年の経費にすることが出来るのです。(ただし、年間300万円までと制限はあります。)
これについてはパソコン以外にも、事務所の机、いす、空気洗浄機など、1単位あたり10万円未満(青色申告の方は30万円未満)のものが該当します。
「早め申告準備」をすると、この確認作業ができます。
「いつか買おうと思っていたもの」を少し前倒しで購入し、税金を安くしましょう!
(注意)商品の仕入、パンフレットの発注などは、年内に購入しただけでは経費になりません。商品の場合は販売分、パンフレットの場合は消費分のみが経費になります。購入しただけで倉庫に入ったままというだけでは経費になりません。上記の10万円未満(青色申告の場合は30万円未満)の特例は、あくまで固定資産の特例ですので、ご注意ください。
②自分の仕事に関する研究、もしくは研修を受ける

自分の仕事に関連したことを調べるための書籍代などは「研究費」、いろいろな仕事に関する知識等を身につけるための「研修費」は、経費に計上することが出来ます。
「レベルアップのために、受けてみたいと思っていた研修があった」
「新しいメニュー開発のために、いつか読みたいと思っていた本があった」
こういう気持ちをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この取り組みを行うことができるのも、「早め申告準備」をしている方だけです。
「研究費」「研修費」でご自身のレベルアップや新メニューの開発などを行い、利益を減らし税金を安くしましょう!
(注意)もちろん、経費に計上できるものでなくてはいけません。仕事と関係がない研究費、研修費は、税務署に指摘されることになりますので、ご注意ください。
③ 経費にできるものを忘れていないか確認
最後に、経費に計上できるのに漏れているものがないか確認してみましょう。
もしそれを発見できれば、その分利益を減少させ、税金を安くすることが出来ます。
計上が漏れがちなものを列挙いたします。
- 自宅で仕事をしている場合、家賃の一部を経費に計上しているか
- 自宅で仕事をしている場合、自宅で掛かっている水道光熱費、インターネット費用の一部を経費に計上しているか
- 仕事を家族が手伝ってくれている場合、その家族の給与を計上しているか
(家族に対する給与を経費については、事前に届出を提出する必要があります。)
その他、以下のものを経費に上げていますか?
- 文房具やソフトウェア・仕事に関係のある書籍、雑誌、新聞・携帯電話料金
- 打合せをカフェ・ファミレスなどで行った際の費用
上記以外にも、改めて経費に計上できるものがないか、確認作業をしてみてください。
この取り組みを行うことができるのも、「早め申告準備」をしている方だけです。
経費を一つでも多く計上して利益を減らし、税金を安くしましょう!
早めの申告準備で、税金を安くしよう!
(控除計上篇)
税金を安くするもう一つの方法は、控除を増やすことです。
税金を安くすることが出来る控除は、14種類あります。
控除の内容をご理解いただくことで、税金を安くできることはもちろん、それ以外のメリットもあります。
今回は、この14種類の控除の中で、特に注目したいものとして、4つピックアップします。
医療費控除

虫歯を放置している方はいませんか?
そういった方は、年内の治療を検討してみてください。
虫歯は治るし、医療費控除も受けられて、一石二鳥ではないでしょうか。
その他、放置している怪我・病気がないかを確認してみましょう!
(注意)医療費控除は、年間支払額が10万円(その年の総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額の5%相当額)を超えないと控除されませんので、ご注意ください。
社会保険料控除

国民年金を2年分まとめて払うと、その払った2年分の金額が控除となります。
しかも2年まとめて払うと、毎月納付する場合に比べて、2年間で15,000円程度の割引になるのです!
今年は利益が出て、少しお金に余裕があるなという方、この国民年金2年前納制度をご利用されてはいかがでしょうか。
なお、こちらの制度を利用される際は、手続きが必要となります。日本年金機構のサイトをご確認ください。
今年の控除額が大きくなり割引も受けられるこの制度、是非ご検討ください!
(注意)今年の控除額が多くなるということは、翌年の控除額は少なくなりますので、ご注意ください。
小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済というフリーランス・個人事業の経営者の方が「退職金制度」として活用できるものがあります。
自身の将来の退職金の準備のため、毎月一定額を積み立てる制度なのですが、この積立額が控除額となります。
積み立てるということは、将来、自分の所に戻ってくるものです。
資産形成を図りながら税金を安くできる制度ですので、フリーランス・個人事業の経営者の方は必見です。
この小規模企業共済の掛金については、国民年金と同じく前納制度があり、1年分をまとめて納めることができます。
また国民年金同様、まとめて払うことによっての割引もあります。
年末が近づいた段階では、本来は、1~2ヶ月分しか掛金として計上出来ないはずが、1年分の掛金相当額を控除として計上できるのです。
フリーランス・個人事業の経営者は、サラリーマンと違い、退職金が準備されておらず、公的年金もサラリーマンに比べると、少ない金額になります。「早め申告準備」の一環としてご検討されるのはいかがでしょうか。
この制度についての詳細は、また改めてブログで紹介したいと思いますので、少しお待ちください。
(注意)退職金として受給する際に、税金が課せられるケースもございますので、ご注意ください。それを差し引いてもお得になるケースが多いのですが、ご心配な方は、ご担当の税理士の方などにご確認された方が良いと思います。
寄付金控除

これについて、代表的なものは、「ふるさと納税」ではないでしょうか。
ふるさと納税とは、実質2,000円で様々な返礼品がもらえる制度です。
ご興味がある返礼品、寄付をしたい自治体などがございましたら、いかがでしょうか。
(注意)実質2,000円でいろいろな返礼品がもらうためには、寄付金の金額を限度額以下にしなければならず、その限度額は、どれだけ所得(もうかっているか)によってその金額が変わってくるので、ご注意ください。
早めの確定申告をサポートします!

早めの確定申告の準備をしていただくことのメリットをお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
本業が忙しいと、どうしても申告は後回しになってしまいますよね。
しかしその状況をわかっていても、やはり、早め申告準備」を推奨したいと思います。
余裕を持った申告準備は、きちんとした確定申告を行うことができるばかりでなく、今回紹介したような税金を安くすることも可能となるのです。
人によっては1年あたりの節税額は少額かもしれませんが、長いフリーランス・個人事業生活で、毎年確定申告をすることになります。
長い目で見ると、この「早め申告準備」に取り組んだ方と、そうでない方では大きな差が生じると思います。
当事務所では、「早め申告準備」に挑戦してみようとお考えのフリーランス・個人事業者の型を応援したく、確定申告の特別コースとして、「早め申告準備応援コース」として、4種類のコースを作りました。
詳しくはこちらの記事もしくはチラシをご覧ください。
→PDF:早め確定申告準備応援サービス
先着10名様限定の特別コースとなっておりますので、ご興味のある方は、是非、ご連絡ください。
お問い合わせフォームに「早め確定申告準備応援サービス希望」とご記入の上ご連絡いただくか、050-3145-0447までお電話をお願いいたします。
初回無料相談にて、サービスの説明をさせていただきます。